ナマで象にのった。 祐也もナマで象にのった。 * 6000万年前から地球上に暮らしている象は、度重なる大きな環境 の変化に耐えて、耐えて・・そのたびに命がけで適応してきた。 しかし人類の産業革命以来、その桁違いの自然環境破壊には為すすべ もなく、また人類による乱獲も重なり、象はあと50年で絶滅するであ ろうと予想されている。 * なんと悲しいことでしょう・・ * 産業革命以来ということは、ここ300年。 人類はここ100年で人口爆発してしまった・・ 60,000,000 年 ÷ 100 年 = 600,000 ためしに、1,2,3,4,5・・と60万まで数えてみて! (数えることを想像してみて!) 11,12,13・・ 111,112,113・・ 1111,1112,1113・・ 11111,11112,11113・・ 111111,111112,111113・・ 543577,543578,543579・・ そしてついに! 599997,599998,599999・・ 次が、600000(六十万)ですね。 この最後の一秒間が100年間!なのです。 象にとっては599999まで幸せに生きてきたのに、 ここ100年間の人類による環境破壊と乱獲によって、 まさにいま絶滅しようとしています。 絶滅する前の最後の一秒を生きている・・ それが今日のった象なのです。 * みなさんもぜひ「象のり」に行きましょう。 関西空港〜ルアンパバーン(往復チケット)7万円〜あります。 一週間、会社を休んで、ぜひご家族で! (ご希望があれば付き添います。英語が不安な方) * 最初は木枠のいすに座った。 間接的に象にのっている感じ。 ものすごく揺れる。 けど、象はていねいに歩いてくれているのがわかる。 やがて川に入る。 川の中で、ボクは木枠から出ることになり、 ナマで象にのった。 一度だけ頭をふむよ。 トレッキングシューズだから底が固いね。 なるべくていねいに一度だけふむ。 今度ははだしでのりたい。 とんでもない剛毛。 太い硬い毛だ。 皮膚はシワシワ。ゴワゴワ。 丈夫な皮膚だが目一杯ていねいに触る。 川には落ちたくないから、 けんめいにバランスをとる。 ああ毎朝、腕立て、腹筋、背筋、スクワット、やっててよかった。 筋肉がなかったら、たぶん、川へ落ちていたと思う。 (まぁ、川の流れは緩やかだから、落ちても命に別状はないが、) 象(17歳、メス)の方だって、ボクを落とさないように一歩一歩 注意深く歩いてくれているのがわかる。 ありがとう。ありがとう。 そうそうオスは性格的に人間の言うことを聞いてくれないそうだ。 だから象のりの象はすべてメスなんだそう。 ボクは象の頭を抑えつけながらバランスをとり続ける。 ゆっさ、ゆっさ、ゆっさ、ゆっさ、ゆっさ・・ 生涯、忘れられない体験となった。 * 次は祐也がナマでのる番。 祐也も上手にのりこなしている。 途中、バイクのエンジン音に、前の象が過剰反応をおこす。 パオ〜〜〜ン、パオ〜〜〜ンと鳴いて、 長い鼻から、掃除機の10倍くらいのパワーで鼻息を出す。 シュ〜〜〜〜〜、シュ〜〜〜〜〜 大迫力だ。 こちらの象にも動揺が連鎖し、 感情が高ぶる。 ここで、象係りのお兄さんに選手交代。 ずいぶん長い象のりだった。 30分はあっただろうか。 象は人間よりも賢い動物と言われている。 4km先の象とも低周波で会話できる、と言われている。 また慈悲と愛であふれている。 だから・・ ボクは象にのることになんら不安はなかった。 相当なところまで会話できるのだ。 ボクが象の上でバランスをやや崩すと、 それを0.1秒以内に察知し、 落ちないように態勢を整えてくれる。 これはほんとうに感動する。 * 象を降りたら、 バナナをあげる時間。 どの象もかわいい。 鼻にバナナを持たせようとしたら、 直接、口にいれてほしいとせがむ。(笑) * その後、ボートで小さな滝まで移動。 しかし乾季ゆえ、迫力はなかった。(笑) 途中、水牛を見ることができてラッキー。 * ビュッフェ・ランチ。美味。 祐也のお氣にはめさなかったよう。 * 象といっしょに水浴びをする様子を見学させてもらった。 なかなか盛り上がっていた。 * ありがとう。ありがとう。 こんな人間をまだ許してくれている象たち。 ごめんね。そして、ありがとう。 * 象を絶滅させない方法を考えるよ。 ふじかわ おさむ at Luang Phabang in Laos