<映画「六ヶ所村ラプソディー」を観て>

last update 25.December.2006


 11/26(日) 木村屋旅館にて、
 ずっと観たかった「六ヶ所村ラプソディー」を観た。

 予想と違い、全編に渡りいたって静かな印象。
 美しい青森県六ヶ所村の映像も多い。
 しかし確実に放射能・六ヶ所の危険性を訴える力を持っている映像だ。
 メジャーな映画ではないから、なかなかお目にかかることはないかも
しれないが、ぜひ、みなさんにも観てほしい映画。

・東京 ポレポレ東中野にて 1/6〜(5週間)お早めに!
・大阪 第七藝術劇場にて 12/16〜22 と 12/23〜29

*

 美しいチューリップ畑・風力発電の風車・六ヶ所に搬入されるキャス
ク(高レベル核廃棄物)・漁船の並ぶ港・・

・六ヶ所村・再処理工場関連の工事の受注で潤う地元の建設業者たち
・放射能汚染された作業服のクリーニングをビジネス・チャンスとして
捕らえる地元のクリーニング店
・キャスクから高レベル廃棄物を取り出す仕事に従事しているお父さん

 様々な風景、様々な人々がたんたんと語る。

 京大 小出教授によると、プルトニウム 10g で 1,000 万人の致死量
なのだそうです。ということは、日本人全員を殺すのにプルトニウムが
わずか角砂糖六個分あればこと足りることになります。

 六ヶ所ではそんな危険なプルトニウムを年間7トンもつくる予定です。
これは原子爆弾 1,200 発分に相当します。

 陸路で搬入されている「高エネルギー廃棄物」は、放射能が漏れない
ように頑丈なキャスクに入っていますが、もし、キャスクのない状態で
「高エネルギー廃棄物」のとなりにヒトが立つとわずか2秒でショック
死してしまうほどの代物です。

「放射能」とは放射する能力のことなんですね。あまりにもエネルギー
が高いので、原爆にも原発にも使用できるのですが、人間には扱いが難
しいわけです。

*

 とにかく現在、六ヶ所は稼動中です。2006.11.2(つい先日)からプ
ルトニウムの製造が始まっています。2007.8 から、フル・スピードの
本格稼動となります。

 年間にチェルノブイリ原発事故のときの10倍の放射能を空と海に放
出します!致死量に換算しますと、52,000 人分の放射能です。

*

 いやぁ・・ほんと、観てほしいな。(^^

六ヶ所村ラプソディーを見よう☆
http://mixi.jp/view_community.pl?id=1173097

東京劇場情報 ポレポレ東中野
2007年1月6日からアンコール上映5週間! 
http://www.mmjp.or.jp/pole2/

大阪 第七藝術劇場にて12/16から公開! 
http://www.nanagei.com/

*

 ひるがえって「核」これは深い問題ですね。

「原発反対!」「再処理反対!」「六ヶ所反対!」
なんて、言ってるだけでは世の中変わらんでしょう。
 デモ行進もいいけれど、それでも効果がどのくらいあるか・・

 構造的な問題と言えばそうかもしれない。
 もんじゅが頓挫しているのに!亡霊のような「日本は再処理します」
という国策だけが生きている・・

 まったくどうにかならんものか。

 六ヶ所村のヒトたちは言う。
「再処理工場がなかったら仕事がなかった」と。
 しかし、日本中、世界中に放射能を撒き散らしてまでするほどの価値
ある事業ではないでしょ、と言いたい。

 ともかく今日も六ヶ所は稼動している。
 放射能も空と海へ吐き出している・・
 すごい現実が日常となっている・・

 チェルノブイリ原発事故の10年後が小児白血病のピークだったこと
を考えると、日本中で小児白血病・死産・流産・奇形児がいま以上に多
発し社会問題化するのは10年後だろう。

 六ヶ所の先輩にフランスのラアーグとイギリスのセラフィールドがあ
る。どちらも再処理工場周辺は放射能汚染されてしまった。現在は両国
とも再処理からの撤退を表明している。にもかかわらず、我らがニッポ
ン・六ヶ所はいまからセラフィールドの悲劇を繰り返したいのだろうか。

 広瀬隆さんの「ドイツの森番たち」に書いてある通り、核廃棄物の再
処理は、核先進国であったドイツでさえ、度重なる事故によりあきらめ
た核の技術なのに。

*

 おカネの問題もある。
 おカネは人間が編み出した便利なルールに過ぎないのに、
 いまや、大部分のヒトがおカネの奴隷になっている。
 金持ちも、原燃に投資すれば儲かるとなればよろこんで投資するのだ
ろう。

 六ヶ所関連の事業におカネが回らない方法を考えたいが、我々の巨額
の税金が潤沢に使われているので無理・・ということは政治、なにげな
い選挙が大事なのか。けど、多数の人がいままでの利権や義理で自民党
に票を投じるんだよね。こないだは「ノリ」で自民が大勝していたし。

*

 ボクは三年前、会社を辞めて本当によかった。
 会社にいる限り大きな経済活動に参加していることになり、いまのこ
の原発に依存する仕組み・構造に、ライフスタイルも含め賛同している
ことになるんじゃないか、と思ったから。

 なによりも一度立ち止まって自分の頭で考える時間もほしかった。

 田舎暮らしがしたかったし、東京から離れたかった。
 東海地震が起きたら浜岡原発の放射性ガスが8時間後に飛んでくる東
京。築地市場から六ヶ所のプルトニウム汚染された海産物がスーパーや
飲食店に流通している東京。

 勘違いしないでほしいのは、なにも東京のわる口を書いているのでは
ないということ。

 ただ、東京でずっとサラリーマンを続けていれば、現在の経済構造に
 yes. と言っていることになってしまうし、地理的にも、国内にも東京
よりも安全なところはいくつもあることがわかったし、都市部の大きな
経済からほとんど見放されているほどの小さな経済の中で生きていく方
法を探るのもひとつのスローライフかな、と思ったから、6月に和歌山
に引っ越した。これは正解だったと思う。

*

 しかし、東京に住んでいても、どこに住んでいても重要なのは、おカ
ネと時間の使い方ではないだろうか。

 昼めしに氣軽にそのへんの定食屋・レストランに入っていいのか。
 合成洗剤(洗濯用・食器用)を買っていいのか。
 スーツをそのへんのクリーニング屋に出していいのか。
 お惣菜を買っていいのか。

 すべての買い物は清き一票である。
 たまにはめをはずしても構わない。
 けど、毎日はずすのはどうか。

 なにをして稼いでいるのか。
 そこから月給・時給・報酬がもらえるということは、どういうことな
のか。どこからそのおカネはきたのか。

 そのおカネでなにを買うのか。(上に述べた通り)

 自由な時間になにをするのか。

 これらひとつひとつの選択が「六ヶ所」にも yes or no を投じてい
るはずだ。

 だからなんの変哲もない一日を自分なりの芸術(アート)にまで高め
られる。現にそうやって24時間365日を送っているヒトを何人も知
っている。

 そして、それはそんなに難しいことではないようだ。

 やるか、やらないか、それだけだ。

 料理をするのは楽しい!
 では皿洗いはつまらないのか。− そんなことはない。
(びわこを使うといい!)

 洗濯ものを干すこと。
 乾いたらたたむこと。
 これらはつまらない雑用なのか。− そんなことはない。

 すべては楽しめる。

 ボクらはなにも楽をするために生きているのではない。
 楽しむために生きている。幸せになるために。
 しかし「楽しみ」だけというのはありえないだろう。
「苦しみ」があるから「楽しみ」がある。
 むかし、ピアノの練習は苦痛だった。
 アレンジの作業も苦痛だった。3時間もかけて8小節とか。(笑)
 しかし苦しみを乗り越えたときに楽しさが待っていた。

*

 日本の電力の約1/3は原発でまかなわれている。現在のような便利
で快適な暮らしを我々がいままで通り今後も享受したいのなら原発を減
らすのはむずかしい。しかし経済のわずかな減速をみなが受け入れる氣
持ちがあれば原発を減らすことは可能なはずだ。

 クルマは最低10年乗る。電気製品・パソコンも10年以上使う。住
宅は最低百年は住めるような住宅(家)を建てる。どれもドイツ・フラ
ンスなどが普通にしていることだ。(日本の古民家も築150年なんて
ザラだ)こういったことを日本人も少しずつ取り入れ、意識改革するこ
とによって原発を減らすことも可能になるのではないか。

 電気の節約というと、部屋の照明をこまめに消す、というような「家
庭でできる省エネ」みたいなことばかり、言うヒトがいる。もちろんそ
れも大事なことかもしれないが、もし新しい電気製品や新しいクルマを
三年ごとに買い換えているならその方が影響は大きい。工業製品の製造
過程で使われている電気を考えなければならないから。

 ただし、雇用減や、月給減も当たり前になってくる。
 こういう状況になれば、田舎があるヒトは40歳を目処に会社を辞め
て田舎に帰り、自給自足に近い生活を目指したらいいと思う。畑があれ
ば飢えることはまぬがれることができるし自分で育てた野菜は新鮮で安
心でかつおいしい。

*

 六ヶ所の核廃棄物の再処理工場は、核廃棄物からプルトニウムを生成
する過程で、なんと核のゴミが7〜40倍に増えてしまう。これがなぜ
夢のエネルギー循環なのか、さっぱりわからん。

 が、当然、政府は核廃棄物の捨て場を探している。
 これが、まるでシャブ中(覚せい剤の中毒患者)をつくる手法にそっ
くりなのだからあきれる。

 まず、捨て場に適した地層かどうかの調査。
 この調査をさせてくれたら、村に10億円くれるのだ。
(調査費用が10億円なのではない)

 一次調査が終わり、無事適した土地だとわかったら、今度は二次調査。
この二次調査をさせてくれたら、今度は村に20億円くれるのだ。おい
しくてたまらない話。三次調査は40億円と、ますますおいしい。

 こうなる頃には村の産業はほぼ破壊されている。
 まじめにみかんや野菜を育てる氣は失せている。
 なんといっても、ボケッとしてるだけでおカネが入ってくるのだから。
(笑)

 そして一年後、村には核廃棄物が搬入されることだろう。
 地下 300m 以上、深く埋めるという話だが、日本は地震列島であり活
断層だらけである。地中でいつ地層がズレるかわかったもんじゃない。
中でキャスクが割れたら村中、日本中が放射能汚染されてしまう。

 高エネルギー核廃棄物の放射能は半減期が数万年〜数百万年かかると
いう。少なくみて三万年として、三万年も地中の核廃棄物を我々の子孫
がえんえんと安全に管理できるとは思えない。くさいものにはフタでは
解決しない。

*

 年金も税金も国の借金も国債も核廃棄物(放射能)も、いまの大人た
ちが、どうせ自分たちの生きている間はなんとかなるさ、後年、子孫が
なんとか処理するだろう、というあきれた先送り体質が見え隠れする。

 そういう大人たちに言いたい。
「あなたの子供は可愛くないの?」と。

 子供たちにまだなんとか住める自然環境を残すのが、せめてもの償い
ではないだろうか。

 そのために、いま、なにをすべきか。
 なにをしてはいけないのか、をよく考えてみたいと思う。

 以上、名古屋のタカくんこと「トミタタカフミ」くんの木村屋旅館で
の話を参考にさせて頂きました。感謝!ありがとう!またお会いしまし
ょう。

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