last update 29.May.2003
最近、交差点で一時停止しない自転車をよく見かける。なんだかもう 見ていられない。ひやひやものである。特に住宅地など、どちらが優先 道路なのか微妙な交差点では、多くの自転車が止まらずにスーッと行っ てしまう。自動車やバイクや自転車などとの出会い頭の衝突はこわくな いのだろうか。どちらが優先道路なのか微妙な交差点では、たいていど ちらかが「止まれ」になっているはずだから、もし自分が「止まれ」の 方を走っているのなら、もちろん止まらなければならない。 中には、かなり交通量のある道路を横切るときさえ、まったく止まら ない自転車も見かけた。このときは中学生くらいの女の子だったが、翌 日、中学生くらいの男の子が二台の自転車で同じ道路を横切るのを目撃 した。ちょうど商用車が時速40km/hくらいで走ってきていたが、運よく 二台の自転車がその交差点を渡るのが早かったので事なきを得た。しか し、目の前をスーッと横切られた当の運転手の方は、驚いた様子で車速 が時速5km/hくらいに落ち、目が点になっていた。 数週間に渡り、観察し続けたところ「交差点で一時停止しない人種」 は、おばさんに多いかと思い気やおじさんでもいるし、前述の中学生や 高校生にも見かけた。つまり性別、年齢などあまり関係がないようだ。 かく言う私も、自転車の怖さというのはこの歳になってようやく知っ た。「止まれ」の標識のある交差点の全てで必ず止まるようになったの は、割と最近のことだ。以前はいちいち交差点で止まることを煩わしく 感じていたが、いまは命がかかっていることが理解できる。しかも最近、 三歳になる長男を後席に乗せて走ることが多いので、二つの命を乗せて 走っていることになる。 高校三年生のとき、自動車の免許を取ってから、久しぶりに自転車に 乗ったときの感覚は不思議なものだった。「止まれ」では、すぐに止ま れるほどの速度に落とすようになったし、ミラーも全部見るようになっ た。また、路上駐車してあるクルマを追い越す(よける)際、きちんと 右後方を振り返り、直目視するように体が自然に動いたのである。内心、 そっかぁ、自転車ってこういうふうに運転するんだぁ、と感慨にふけっ たものだ。(おおげさ?) それから17年もかかって、ようやく、あらためて自転車のこわさを 知った。一時停止を怠ったばかりに大事故を起こしてしまった女性(お 母さん)の話を聞いたのだ。その人は奇跡的に助かり、手足も失わなか ったが、危ないところだったという。まったく、一時停止しないことで 命を落とすなんてことのないように、注意してほしいと思う。 2003. 5. 28 ふじかわ おさむ at TOKYO